フレイルを知って介護を予防
今年から2月1日は、一般社団法人スマートウェルネスコミュニティ協議会、日本老年学会、一般社団法人日本サルコペニア・フレイル学会の4団体により「フレイルの日」と制定されました。
フレイルとは、日本語にすると「虚弱」という意味です。
加齢に伴って、筋力、認知機能や心身の活力が低下して、病気ではないが健康とも言えず、まだ介護が必要ではないが要支援・要介護の危険性が高くなっている状態です。
フレイルの要因
身体的要因・精神的要因・社会的要因の3つがあります。
身体的要因
低栄養
高齢者では、体格指数BMI※18.5~21.5を下回ると低栄養の可能性が高くなります。
※BMI(Body Mass Index)= 体重㎏ ÷(身長m × 身長m)で求める
日本人の食事摂取基準2020年版では、65歳以上の目標とするBMIの範囲は、男女とも21.5~25 kg/m2未満になります。
口腔機能低下
固いものがたべにくくなった、お茶や汁物でむせる、口の乾きが気になるなどの症状があてはまると要注意です。
運動機能障害
ロコモーティブシンドローム(運動器症候群)などの運動機能障害が起きることがあります。これは、サルコペニアという筋肉が急激に減少した状態をが影響していることもあります。サルコベニアは、加齢、身体活動量の減少、エネルギーやたんぱく質不足などの食習慣、疾患などによる影響によるものです。
精神的要因
- うつ
- MCI※
- 認知症など
※MCI=軽度認知障害は、健常と認知症の中間にあたる状態で、およそ半数が認知症に進行すると言われ、早期の対策によって認知症の予防、進行を遅らせる可能性がある。
社会的要因
- 閉じこもり
- 孤食
- 孤独など
フレイルのチェック
フレイルは、筋肉などの身体機能の低下より食事が食べられなくなる口の機能や、社会への不参加からはじまるとも言われ、図のようなフレイルサイクルへと繋がります。
しかし、兆候を早期に気づき、適切なケアをすることで、要支援・要介護状態に移行することなく、十分に自立した状態の維持も可能になります。
国立長寿医療研究センターによるフレイルの簡易チェックです。
身体的要因・精神的要因・社会的要因によるフレイルを防ぐためにも、健康に必要な3つの柱それぞれへの取り組みが重要です。