過大評価しやすい消費エネルギー量

私たちは、食べたものは、それほど食べていないと過小評価し、体を動かした時には、よく動いたと過大評価しやすいと言われています。運動したからとビールやスイーツを食べていると、ご褒美のエネルギー量(カロリー)が、運動の消費エネルギー量より上回っているなんてことになりかねません。

運動しているのに痩せないという人は、おおよその運動で余分に消費するエネルギー量を計算してみましょう。

消費カロリー(kcal) =(メッツ※-1)× 運動時間(時間) × 体重kg

※メッツとは、運動によるエネルギー消費量が、安静時を1として何倍にあたるかを示す値。運動で余計に消費するエネルギー量を算出するために、安静時の消費エネルギー量を引くため1を引く。各運動によるメッツは下記参照。

例えば、体重60kgの人が、やや速歩で30分歩いて余計に消費するエネルギー量は
 (4.3-1)× 30 / 60 × 60kg ≒ 100kcal

普通歩行で1日6000歩歩いている場合には、10分=1000歩と換算するとおよそ1時間なので、
 (3-1)× 1 × 60kg ≒ 120kcal

歩いて消費するエネルギー量は、350mlの缶ビール1本(140kcal)よりも少なくなります。

消費エネルギーだけ見ると運動の効果は、少ないように見えますが、体を動かすことで得られる効果は、+10分加えるだけでも、生活習慣病、がん、認知症の発症などを低下させる可能性があると言われています。塵も積もれば山となります。

日常生活でこまめに動いて、動いた量に応じて食べる量を適量に見積もることが大切です。

【運動によるメッツ一覧】

・ウォーキング
 普通歩行、犬を連れて(平地、67m/分、) 3メッツ
 ほどほどの速さ、散歩など歩行(平地、75~85m/分) 3.5メッツ
 やや速歩(平地、93m/分)  4.3メッツ
 かなり速歩(平地、107m/分)) 5メッツ
・ジョギング 7メッツ
・ランニング (139m/分)  9メッツ
・筋トレ自体重を使った軽い筋力トレーニング(軽・中等度)3.5
・サイクリング (約20km/時)8メッツ
・自転車エルゴメーター
 (30~50ワット)3.5メッツ
 (90~100ワット) 6.8メッツ
・ラジオ体操第一 4メッツ
・ストレッチング、バランス運動、ヨガ 2.3メッツ
・パワーヨガ 4メッツ

健康づくりのための身体活動基準 2013より