基礎代謝量が落ちると太る?

体重で健康管理をすることをお勧めしていますが、体重の増減は、食べるエネルギー量(IN)と消費するエネルギー量(OUT)の収支バランスが関係します。

適切な体重が維持できている人は、動いている量に合った食事の量になっており、エネルギーの収支バランスがとれています。

しかし、ライフスタイルが同じで、食べる量も変わらないのに太ると感じている方は、基礎代謝量が落ちているかもしれません。基礎代謝量は、心臓を動かしたり、体温を維持するなどの生命活動に必要なエネルギーで、消費エネルギー量の約7割を占めます。

筋肉量が多いほど基礎代謝量は高く、太りにくくなります。

基礎代謝量のピークは、ライフスタイルによっても異なりますが、男性は高校生、女性は中学生の頃です。筋肉量は年齢とともに徐々に減る(20代に比べ70代では男女ともに30%程度筋肉量が低下)ため、だれでも加齢に伴い基礎代謝量は低下してきます。

体重が変わらなくても、筋肉量が落ちて、その分脂肪がついていれば基礎代謝量は落ちています。

加齢のほかにも基礎代謝量が落ちる原因がありますが、食べていないのに太ると言われる方によくあるパターンは、体を使うことが少ないことと、食事の量が少なく、特に筋肉を作る材料になるたんぱく質が少ないことです。理想の食事の組み合わせは、ご飯、パンや麺などの主食、肉や魚、卵、大豆製品の主菜1皿、野菜や海藻、きのこなどの副菜2皿(汁物)です。この組み合わせで食べると体に必要な栄養素が、それぞれに補い合って消化吸収されやすくなります。食べたエネルギー量だけでなく、食べたエネルギーの内訳も重要です。

少ない活動量に合わせて食事のエネルギー量を減らすのではなく、意識して日常生活で体を動かし、可能であれば運動を取り入れて筋肉をしっかり使い、動いた分をしっかり食べることが健康な体につながっていきます。

※1日に歩きたい歩数の目安量は、65歳以上の人で6000歩以上、64歳以下の人では8000歩以上です。