座っている時間が体型を決める

私たちの1日の総エネルギー消費量の内訳は、「①基礎代謝量(約4~7割)」、「②食事誘発性熱産生」、「③身体活動によるエネルギー消費」の3つに大きく分けられます。

①基礎代謝量は、生命活動に最低限必要なエネルギー量で、体格、年齢、性別などにより異なります。②食事誘発性熱産生は、食べたものが体内で消化、分解、吸収される時に熱が発生することです。そのエネルギー量は、食べた物によって異なり、摂取したエネルギーに対して、たんぱく質が約30%、糖質が約6%、脂質が約4%、混合食が8~10%程度とされています。

基礎代謝量と食事誘発性熱産生によるエネルギー消費量は、個人での変動量はあまり大きくないため、1日の総エネルギー消費量は、③身体活動によるエネルギー消費に左右されます。

この身体活動によるエネルギー消費は、運動によるものと、日常生活での歩いたり、姿勢を保持したり、家事を行うなどの日常活動による非運動性身体活動(NEAT:non-exercise activity thermogenesis)の2つに分けられます。

運動をしていなくても、日常的に活発に活動していれば、エネルギー消費量は増えます。肥満者と非肥満者を比べると、肥満者は歩行なども含めた立位による活動時間が、非肥満者より平均で1日約150分も少なかったという研究報告があります。座っている時間が長いほど、太っている傾向があるということです。

また、活動量が少ないことは、肥満だけでなく、血圧、癌、糖尿病、心疾患、認知症などにも影響すると言われています。厚生労働省では、1日10分=約1000歩でも多く体を動かすことを推奨しています。10分は、1日10分をまとめてでも、分散させても、1週間分まとめてでも構いません。

体を動かすには、気持ちのいい季節です。自分のライフスタイルに合わせて、テレビを見ている時間、通勤の時など、できそうなことから始めてみませんか。