そのだるさ、梅雨のせいではないかもしれません「貧血のお話」

梅雨の時期は、肌寒い日があるかと思えば、ジメジメと蒸し暑かったり、晴れると急激に気温が上昇したりと体調管理が難しいですね。この時期には、胃腸の機能が弱まりやすく、湿気から体が何となくだるくて重いなどの症状が出やすいと言われています。それでも、気だるい、活力が出ないなどの症状が強く続く場合、疑って欲しいのが鉄欠乏による「貧血」です。

貧血の判定

貧血は、血液中に含まれているヘモグロビンの量で判定します。検診結果をお持ちの方はヘモグロビン値を確認してみてください。診断結果の標準値に収まっているか確認してみましょう。

ただし最近ではヘモグロビン値が正常範囲でも肝臓の貯蔵鉄が不足していることによる「隠れ貧血」(潜在性鉄欠乏症)も注目されています。この判定にはヘモグロビン値でなく、貯蔵鉄のフェリチン値で判定します。一般的な検診の測定項目には含まれていませんので、もしヘモグロビン値が正常でも、下記の貧血の症状に当てはまることが多い方は、医療機関への受診をお勧めします。

貧血の症状

ヘモグロビンには、全身の組織に酸素を運搬する役割があります。酸素不足では、食べたものをエネルギーにすることがでずエネルギー不足になりすぐに疲れやすくなります。また、少ない量のヘモグロビンで酸素を全身に運搬するため、動悸、息切れ、頭痛、めまいなどの症状がおこります。

ただし、貧血が徐々に進行した場合には、貧血状態に体が順応し、症状の自覚がないことも少なくありません。外見にあらわれる状態には、顔色やまぶたの裏側が白っぽい、爪は割れやすい状態になり、症状が進むとスプーン状にくぼむなどの症状が現れます。

症状が進んだ状態になると、食事だけで改善するのは難しくなります。

食事で貧血を予防するポイント

ヘモグロビンは鉄から作られるため、鉄分をしっかりとります。ただし、食品に含まれる鉄は吸収が悪く、動物性食品に多く含まれる鉄(ヘム鉄)で吸収率は約30%、小松菜などの植物性食品の鉄(非ヘム鉄)では約5%です。特に、非ヘム鉄の吸収率を高めるにはビタミンCと動物性のたんぱく質の肉や魚を一緒に食べると吸収がよくなります。

1日にとりたい鉄の量は、日常的な生活の活動量が普通な30~69歳の場合
・男性:7.5㎎/日、
・女性:10.5㎎/日(月経なし6.5㎎/日)
です(日本人の食事摂取基準2015年より)。

1日3回の食事で主食+主菜(たんぱく質のおかず)+副菜(ビタミンCを多く含む野菜のおかず)を組み合わせると、1日に必要な量に十分近づけることができます。鉄分を多く含む食品を参考にしてください。

食品名 鉄の含有量
豚レバー80g 10.4㎎
鶏レバー80g 7.2㎎
あさりの水煮40g 15.1㎎
さば味付け1缶 3.6㎎
がんもどき1個100g 3.6㎎
納豆1パック 1.3㎎
小松菜お浸し1皿分 2.2㎎
水菜お浸し1皿分 1.6㎎

 
また、鉄の鍋やフライパン、お茶の鉄瓶を使うのも鉄の補充に役立ちます。お手入れには、ひと手間かかりますが、貧血気味の方は使ってみてはいかがでしょう。

注意事項として、鉄は、過剰により健康障害のリスクがあるとされる上限量が設定されています。男性50㎎、女性40㎎です。通常の食事で上限量になることはありませんが、サプリメントなどを利用される際は、用法を確認の上利用してください。

貧血をそのままにしておくと、情緒障害や運動能力の低下などにもつながります。大切なのは、日頃の食事で、コツコツ鉄分を補ってあげることです。